メロン事件


なにより、私はカッパ寿司が大好きです。
おそらく月1の勢いで行くくらい好きです。

あんなもの寿司じゃない?
どこがいいのかって?

あの回転して出てくるアレには、ロマンがあるのです。
人を惹きつけてやまないと思うのです。
時折これはなんだと?根性なく握り飯から落ちている時も
私には愛おしく感じます。

そして、安心感 10皿食べても1000円ちょっと
本質で勝負せずいかに化かして口へ運ばせるかという創作された感じ
そこにはきっと職人の汗と涙の結晶のスパイスが隠されているという気さえします。

あぁーカッパ万歳なのです。


前置きはともかくその日はメロンが流れていました。
席につくやいなや、今日の最後はメロンで〆ると宣言をしました。

8皿ほど食べお腹が満たされるのを感じてさぁ〜メロンの出番だと
流れてくるのをしばらく待ってみました。
出てこない・・・。

とりあえず、トイレにいって仕切り直そうと、ダンナにメロンが来たら
とって置いてと頼み席を立ちます。



用をたしてすっきり戻るとまだメロンは来てないのです。

もうここは、秘儀を使うしか方法はないのかもしれないと意を決して
ボタンを押し、『メロンひとつ〜』と注文。


ほどなくして、反対側からちらりと私の席【62番】の番号の皿に
メロンが乗っているのを確認できました。


おぉー来るぞ!一周して、私の手元にやってくるのです。
私の胸は否応なしに高鳴るのです。



62番の皿がコーナーを回ったーーー!!!!。

さ、さ、さ、さ、さー近づいてくる。


あと、3メートル



2メートル



待ちきれず、カウントダウンを始めていました。



1メートル




あとちょっとー



ああああああああああああああああああああああ!


動画をご覧頂きたい。


【補足】
動画撮影に成功したのはダンナですが、決して狙ったわけではなく
ただ、回っている寿司を面白いから撮って時に偶然に撮影されたものです。





聞いて頂けたであろうか、この悲痛な子供のような声を。
もう、事実を述べるしか方法がなかったのでしょう・・・。

動画が切れる寸前に、『メロン・・・』と蚊細く嘆いてるのです。


可哀想ぢゃないかっ!!あんまりだ!!あんまりなのだっ!
滑稽にもカウントダウンまでして、待ち望んだメロンが
62番の皿の上に乗ってないなんてっ
そんな理不尽なことがこの世にあっていいのか。

私は、嘆きました。
嘆い悲しんで食欲も失せ、体全身に絶望感に満ち溢れ、ただただ涙がうっすらと。

ダンナは、その後また頼みなさいよと言ってくれましたが
そんな余力は私にはもう残されていません。
もしまた、同じ惨事が起きたら怖くて怖くて
子供だったら、本当に大泣きでしょう。

大人な私でさえも、涙を堪えるのに必死なのですから・・・。



こんな体験、二度と起こってほしくはないです。